受取人の指定方法

保険金の受取人の指定方法は、一つではありません。はっきりと実名で指定することも可能ですが、妻などの続柄や、被保険者の相続人といった立場でも指定することができます。
続柄や立場などで指定した場合、受取人変更の手間を省けるという利点があります。例えば、父親が妻と子供のために保険に入り、受取人を被保険者の相続人としておいたとします。これならば、例え新しく子供が生まれても、妻と子供全員が受取人として指定された状態に変わりはありません。受取人の欄に、末子の名前を書き加えて手続きをする必要はないのです。
しかし、続柄と名前を両方書いて、指定したために、少々ややこしいことになった判例もあります。
例えば、こんなケースです。受取人の指定を「妻・○山×子」として保険契約をしていた男性が離婚して、他の女性と再婚した後に死亡しました。保険契約上は受取人が「妻・○山×子」のままなのですが、前妻の○山×子さんは、すでに死亡した男性の“妻”でありません。さらに、×子さんは他の男性と結婚して「△川×子」さんに姓が変わっていたのです。
契約上の受取人は「妻・○山×子」さんなのに、×子さんは妻でもなく○山さんでもなくなっていたわけです。
そこで納得できなかったのは、男性が死亡した時の現在の奥さんです。「現在の妻は私なのだから、保険金は妻でも○山でもない×子さんではなく、私に支払われるべきだ」と申し立てました。
しかし、契約上で指定されているのは、当時の妻で、当時「○山×子」だった、現在の「△川×子」さんだということで、結局保険金は前妻である△川×子さんに支払われたのです。
この判例を元に考えると、保険金の受取人に続柄と氏名の両方を指定した場合、氏名で指定した人間が優先されると言うことが分かります。
このようなケースは、そうそう起こるとは思えませんが、受取人の指定はよくよく考えて行い、受取人を変更する必要がある場合は速やかに手続きを行った方が良いでしょう。
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