保険買取業とは?

欧米諸国の中には、生命保険の買取業が法規制の下で行われている国があります。日本ではほとんど馴染みのなかった生命保険の買取業ですが、一つの裁判によって、この保険買取業が日本でも注目されることになりました。
では、保険買取業がどのようなものか説明しますと、まず生命保険を契約者から買い取り、以後の保険料の支払い義務も、保険金の受け取り権利も譲り受けるという事業です。
例えば、5000万円の生命保険に入っているAさんが、その保険を2000万円で保険買取業者に売却したとします。Aさんは業者から2000万円を受け取り、買取業者に保険を売却したことを保険会社に報告するとともに、保険契約者と受取人を、買取業者に変更します。
そして、以後の保険料は買取業者が支払い、Aさんが死亡した場合の保険金5000万円も買取業者が受け取ることになります。これが、生命保険買取業というビジネスです。
保険買取業は、特に欧米で発展しています。80年代のアメリカでは、エイズの末期患者が治療費や生活費などを捻出するために、生命保険が売却されることが多くなり、ビジネスとして急成長を遂げてきました。同時に、人の命に関係するビジネスということで、厳格な規制法が制定されて監視も行われています。
日本では、貧窮する末期患者の救済策として、保険契約者貸付制度や一部の特約などで対応してきました。保険買取業については、欧米とは違い、法整備もされておらず、モラル的な面からも社会的な受け入れは難しいため、国内ではほとんど認知されていませんでした。
しかし、保険買取業に保険を売却した1人の日本人男性が、平成17年に裁判を起こし、日本にも保険買取業が存在することが明らかとなりました。
裁判の内容は、保険買取業者に生命保険を売却したのだが、契約者・受取人の変更を保険会社が拒否しており、その変更申請を受諾するように訴えたというものです。
アメリカでは法整備の下に大規模な市場が確立されている事業だけに、裁判の結果が日本の保険業界に与える影響も大きく、非常に注目を浴びています。
現在の日本では、法整備がなされていないため、生命保険買取業についても規制はされていません。したがって、保険会社が承諾さえすれば、保険買取も行えることになります。ただし、法整備がなされていない以上、保険金額やリスクに対する買取額の算出などにも規制がありません。
その為、日本での生命保険の売買は、かなりリスクの高い、危険な行為と言えるかもしれません。法整備がなされるのか、それとも買取自体が規制されるのか、今後の動きに注目したいところです。
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