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公・民の介護保険の違い


日本では年々高齢化の傾向が強まり、それと共に、要介護状態に陥った際に保険や年金が下りる「介護保険・介護年金」の必要性も高まっています。国は、2000年に“公的介護保険制度”を整備しましたが、これに追随するように民間の保険会社も“介護保険”や“介護年金”に属する保険商品を開発しています。

しかし、民間の保険会社が提供している介護保険と公的介護保険とでは、要介護認定の判断基準に差があります。そのため、公的介護保険は受けることができたのに、同時に加入していた保険会社の介護保険は要介護認定が下りずに受けることができない、といったケースもあるのです。

それでは、それぞれの要介護認定の条件を見てみましょう。

 公的介護保険
65歳以上の被保険者が、自治体の調査員と医師の判断・診断を元に行われる介護保険審査会で、要介護状態と認定されれば、公的介護保険が受けられます。
40歳以上65歳未満の場合は、老化による要介護状態であれば認定される可能性があります。また、40歳未満は対象外です。

 民間保険会社の介護保険
保険の約款に定められているような要介護状態が、一定期間以上継続している場合に、介護保険金の支払い対象となります。
加入していれば、年齢による制限はありません。

これらの認定条件の大きな違いとしてまず挙げられるのが、判断基準です。公的介護保険では、担当者や医師の診断を元に、専門家が審査会で介護が必要と判断すれば、介護認定が成されます。つまり、判断基準は専門家の意見で、数値化できるようなきっちり線引きできる基準は見えません。現実的に介護の手が必要だと認められさえすれば、要介護認定が下りるという幅の広さがあるとも言えます。

これに対して保険会社の介護保険での要介護認定の条件は、保険会社や保険内容によって変わりますが、被保険者の診断結果を約款に照らし合わせ、保険会社の担当者や審査医が要介護認定を下します。場合によっては、公的介護保険で認められるよりも重い要介護状態でなければ保険金が受け取れないこともあります。その為、支払い条件については、契約前に充分に確認しておく必要があります。

次に挙げられる大きな判断基準の差は、年齢条件です。公的介護保険の対象者は基本的に65歳以上で、それ以下の年齢の被保険者に対しては条件がつきます。これに対して民間の介護保険は、約款に記されている年齢条件に当てはまっていれば、特別に年齢に条件がつくことはありません。したがって、年齢によっては「民間の介護保険は受けられるが、公的介護保険は受けられない」というケースも考えられます。

結局のところ、公・民のどちらの介護保険が良いとは言えません。公的介護保険には年齢制限がありますし、受けられるのは基本的にサービスなどの現物支給と、バリアフリー工事・補修費などの実費です。また、民間の保険会社の介護保険は年齢に関係なく保険金を受け取れて汎用度が高いのですが、支払い条件は厳しくなります。

したがって、どちらか一方の介護保険に入ったからといって、決して万全とは言えません。しかし、両方に加入しても、決して充分とは言い難いのが現状だと言えます。

今後の介護保険のさらなる充実にも期待したいところですが、現状でできるのは、民間の介護保険に加入する際に支払い条件を見比べて、公的介護保険で補えない部分をきちんと補えるような契約を結ぶように心がけるということくらいなのかもしれません。公・民の介護保険の両方に加入したとしても、両方の保険の恩恵を重ねて受けられるとは限らないのです。

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